January 14, 2014

【最先端のネット選挙】効果を追求するネット選挙運動に必要なもの

2014/1/15

ネット選挙:インターネットを利用した選挙運動。

前回の参院選から、ネット選挙が解禁となり、誰でもネット選挙運動員となることができるようになった。インターネットの特性上、世界中どこにいても候補者を応援したり、離れた場所にいる仲間と連携して動いて選挙に関わることができる。例えばカリフォルニアにいながら、この先の米軍基地問題を大きく左右する沖縄の名護市長選挙(1月19日投票)を盛り上げたり、関心や投票率が上がるように働きかけたりすることができる。選挙区外にいる人が応援できる、もしくは選挙区の人達が外から応援されることができるので、ポジティブなネットワーク、人間関係や空気ができる。

人々はまずインターネットを介して繋がり、トップダウンの組織ではなくフラットなネットワークを構築し、ざっくりとしたゴールや目的や意識を共有する。そしてネットワーク(つまり人の繋がり)は、それを構成している人々が効果的に連携しながら動くことができれば、選挙で勝つために多大な力を発揮することができる。

では、ただ単に繋がっているだけでない、力のあるネットワーク、もしくはチームをつくるには何が必要なのか?

細やかなコミュニケーション(意思の疎通)、お互いをケアする気遣い、信頼関係、ネットワーク内のモチベーションを高く保つこと、選挙期間中状況に素早く細やかに反応し対応する能力、その動きをネットワークの外にいる人々に向けて細やかに伝わる方法で発信(プレゼン)し、具体的に変化している、興味深く細かい動きをスピーディーにしていることを見せること、クリエイティブなコンテンツをつくり、効果的な戦略、良い印象を与えるポジティブな発信をすることなどで、効果的にネット選挙を戦うことができる。

ネットワークと組織の違いは多くある。組織は基本的にトップダウンで指示が出され、動きが遅いことが多く、どんな動きをするのかある程度予測がつく。ネットワークは自発的な人々の繋がり、パイプ、意思の疎通なので、組織と比べてコミュニケーションがフラットで自由で柔軟。様々な人々がネットワークを構成している為、その分視点も多く広がりがある。どんな動きがあるか予測するのが難しい。特にスピード感、速さは大きな武器となる。

自発的で自由な個で構成されるネットワークが効果的に機能する為には、個人が目的はなんであるかを理解し、効果を求めて行動する必要がある。

勝つために必要なタスクを消化するシステム、人手、手法、時間、発想などが必要となる。

スポーツと同じで、後手後手になるチームは弱い。常に後手後手にならないように考え、判断し、行動する。後手に回らない為には、絶対に追い込まれないようにする、そしてそれに必要なのは入念な準備や練習や試行錯誤や情報収集。時間があればあるほど良い準備ができる。逆に言えば、計画性無しでネット選挙に挑んでも、時間無くなって何もできずに終わってしまう可能性もある。公示日にバタバタしないのがベスト。限られた時間をどのように使うのか、なにをやってなにをやらないか、それをうまく判断できる人間が多いほど良い。

人手に関しても、早めに集めておいた方がいい。それは情報を共有したり、教育するためには必ず時間がかかるからだ。人が足りなくなってから人を探すのでは遅い。

選挙は短期決戦の為、選挙が始まったら持論や議論はあまり必要ない。それは選挙期間でないときにやれば良いからだ。選挙に勝つためにはシビアに効果を求めて行動する方が得策。

絶対にしてはならないのが、味方を減らすコミュニケーションや情報の発信やメッセージ。

国をつくるのは政治であり、政治を決めるのは選挙。国を変えるという目的を果たすためには選挙には勝たなければいけない。そして選挙に勝つには票(つまり多くの人々の支持)仲間や友達が必要となる。まだ仲間でない人々の賛同を得る必要がある。

思想やイデオロギーや理想も大切だが、選挙に勝つために最も大切なのは効果的であるかどうか。良い形で妥協できるかどうか。生理的に嫌がられない、排他的でない、固くない、良い印象を与えるオープンなスタンスでコミュニケーションができるか。誰とでも友達になれるようなオープンさ、どんな人の話でも落ち着いて聞ける器の大きさ、そういった懐の深さや姿勢は、場合によっては意見を主張する能力よりも有効になりうる。結局のところ、相手の話を聞けない人間には(合意形成型の)民主主義を実行することはできない。分断状態、対立状態を深刻化させるのが政治の役割ではない。

もしもネット選挙で仲間が違う候補者を応援するということになっても、それはかまわない。様々な意見があり、色んな種類の人間がいるのが多様性があるということ。信頼できる仲間が違う候補者を応援したとしても、その経験や繋がりは後々生きることになる。繋がり続け、コミュニケーションができる状態を保つことが大切。分断してはいけない。

シビアに現実を見ることで、勝つ為に考え行動することで、様々なことが具体的に始まる。

※参照【最先端のネット選挙】「なぜ、あの選対はスピードがないのか」

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January 12, 2014

座間宮ガレイさんから:世界中にいるネット選挙運動員へのアドバイス

2014/1/13

インターネット上での選挙運動、「ネット選挙」が前回の参院選から解禁となった。インターネットで選挙運動をするということの本質とは何なのか?実際に何ができるのか?どうやったら効果的に「ネット選挙運動」ができるのか?

ネット選挙の有効性に気づいた人は、辺野古の米軍基地の移設が焦点となっている1月19日の名護市長選挙や、2月9日の東京都知事選においてどうインターネットを活用しようか考えているのではないだろうか。

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1.19名護市長選挙プロジェクトで現在名護市入りしている座間宮ガレイさんが、1月5日に東京都内で「勝ちに行くネット選挙の戦い方」という題で、ネット選挙のコンセプトや具体的な戦術をレクチャーした。

座間宮さんは去年の参院選でインターネットを効果的に利用し、山本太郎参議院議員の当選に大きく貢献し、現在「ひっくり返しましょうぞ!100万人無料メルマガプロジェクト」をスピーディーにちゃくちゃくと進め耕している。

以下は抜粋したレクチャーの内容。

【ネット選挙運動員としてできること】

今まで選挙運動と言えば、コアは選対本部、ボランティア、勝手連だったけれど、今はネットを使えば世界中の人がネットワークコア、ネット選挙運動員、つまり当事者になることができる。

ネット選挙運動員は、世界中どこにいても

1.投票を促すこと

2.寄付すること

3.戦術を考え、提案すること

4.仲間を鼓舞すること

などができる。

社会問題や日本の政治を自分のこととして捉えるセンスを持った有意識者達が自発的に、自由な形でクリエイティブにネット選挙運動に関わり、当事者が増えることで、民主主義には良い影響がもたらされる。ネットをとっかかりにオンライン、オフライン両方で市民のネットワークがつくられてゆき、細分化されコミュニティーを失った社会に再び血の通ったネットワークやコミュニティーを創出する機会ともなり、創出されたネットワークは様々な形で今後生きてくる可能性がある。当事者の数を増やすことは非常に大切になる。

【ネット選挙運動員のウォーミングアップ】

スポーツの試合の前にウォーミングアップをするように、ネット選挙の前にもウォーミングアップが大切。 ネットの使い方に慣れたり、どのようなコンテンツが効果的なのか、どこで発信するのかなどを心得ておくと良い。

「動画よりも画像のが軽くて速い」

座間宮さんは、ネット選挙においては動画よりも画像の方が有効だと言う。動画は重くて長い。だけど画像は軽くて速い。つまり情報の伝達速度や見る側にかかる負担に違いがある。画像の方が短時間で情報や印象を伝えるのに適している為、座間宮さんは「徹底的に画像で勝負」すると言う。

例えば、座間宮さんは参院選中に、山本太郎さんの街頭演説にたくさんの人だかりができている写真や、山本さんが赤ちゃんと握手している写真をネットに投稿した。「たくさんの人」がいて「山本太郎さんが小さく映ってる」写真。国民主権の象徴のようだと感じる人もいれば、こんなに人がいるなら行ってみたいと思う人もいる。こいつは憎めない!という写真も有効。そういった効果的な写真を撮り、ネット選挙で使う。「行列を作って行列に並ばせる」心理戦でもある。

「Yahoo!とGoogleのちょっとした違いを知る」

検索エンジン別のちょっとした違いも知っておくといい。例えば「宇都宮けんじ」と検索したとき、届けたいコンテンツが上位に出れば出る程そのコンテンツはオーディエンスに届く可能性が上がるからだ。

Yahoo!の場合、NAVERまとめとYahoo!知恵袋が優遇され、画面の上位に表示される。Google検索だとYouTubeが優遇され、クリックされる可能性が高い。

「ツイキャスとYouTubeの違い」

山本太郎さんや三宅洋平さんの選挙チームは、誰でも簡単に生中継ができるツイキャスやYouTubeを有効に利用した。この2つのツールの違いも心得ておくと良い。

ツイキャスのおもしろいところはなんといっても「生中継」ができるということ。朝から晩までツイキャスを回し続けて選挙の現場を可視化したり、公安対策にも使われた。主にツイッターやフェイスブックから、「既に繋がっている人達」にリーチして呼び込むことができる。逆に言えば、新しい繋がりをつくるのにはそれほど向いていないことと、どうしても長くなってしまうというデメリットがある。

お馴染みのYouTubeは、タイトルをつけたり、タグやキーワードをつけて、検索に引っ掛けることができる。つまり「友達以外の人達」や新しいオーディエンスにコンテンツを届けることができ、コツがわかればコンパクトで効果的なコンテンツをつくることができる。

このあたりを考えてコンテンツをつくり発信すると良いだろう。

【結果ではなく過程、伝え方を工夫し大切にする】

熱×インターネット=投票行動

座間宮さんは「ネット選挙で集票しようという安易な発想を捨てる」ことが大切だと言う。ポジティブかつシビアな姿勢が大切。勝つためには単にシェアしたりリツイートするだけでは足りないし、コンテンツの内容ももちろん大切となる。

「投票」や「当選」という結果だけではなく「どうしたら投票に行ってくれるだろうか」という過程を大切にしなければいけない。ビジネスの上手い人は日常的にやっていることかもしれないが、これはネット選挙でも同じ。特定の候補者を応援したり、投票や選挙運動を促すときも伝え方が大切になる。

例えば「醤油を買ってくれ!」とストレートに言うのではなく、醤油をぺろりと舐めて「この醤油すごくおいしい!お刺身と合うかも!」と言ってみせたりする工夫が必要。「うまいうまい!」という人が増えれば、勝手に醤油は売れる。「選挙楽しい!おもしろい!あつい!」という人が増えれば、自然と投票率も上がり、当事者も増えてゆく。

効果を追求するならば、「なぜこんな大切なことに対してみんな無関心なんだ!」と怒ったり嘆いたり悲しくなったりするよりも、楽しくクリエイティブに、「投票したい!」「私も(ネット)選挙運動したい!」という気持ちをどうつくりだすかにエネルギーを使う方が得策。相手を批判するのはほとんどの場合は逆効果。

【誹謗中傷・デマ対策】

何か事件が起きたときの対応としては、1つずつツイートを返したりすることもできるが、コンテンツを作製して対応するという方法もある。そして選挙期間は短く短期決戦なので、とにかくスピーディーな対応が求められる。できるならもうコンテンツを作っておくくらいでも良い。そしてそのコンテンツをリツイート、シェアすれば良い。

【速さ】

そしてネット選挙において大事なのは速さ。スピーディーなコンテンツの立ち上げや発信。スピーディーなミスへの対応。行動は速ければ速いほど自分の状況は有利になり、相手は後手後手になる。小さなミスや問題には早く対応できればできるほどそれによる被害は最小限に押さえることができる。なにか良いこと、良い功績があったらそれを細やかに発信し、変化や動きを可視化して、オーディエンスにそれを追体験してもらうこともできる。

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下のビデオでネット選挙レクを見ることができる。

December 19, 2013

三宅洋平 × 山本太郎:『大デモ』そして『ザ・パーティー』表現者達の決意

2013/12/19

特定秘密保護法案が成立した翌日、12月7日に渋谷で三宅洋平さんが発案者の『大デモ』が行われた。

選挙や選挙演説の固いイメージを一蹴した三宅さんが発案者である『大デモ』の目的の1つは、日本においてのデモの固く殺伐として近寄り難い、若者ウケしないイメージを変えることだった。「数は力」なので、より参加しやすいデモカルチャーを創出する必要があった。

『大デモ』に参加した人、街で見かけた人、記事で読んだ人、ツイッターやフェイスブックで見た人はどんな印象を受けただろうか?

当日の参加者は特定秘密保護法案に対する「ノー」や脱原発を叫び続けるために来たバリバリの市民活動家から子供連れの家族、若者、ダンサー、ミュージシャン、様々なコスチュームを着た人々やプラカードを持った人々がカラフルで笑顔や表現の溢れる和やかで自由でパレードのような平和のデモ行進をし、サウンドカーはセンスのいい音楽を流し、参加者が行進しながら踊る姿も見られた。「飛び入りOK」のプラカードを見て『大デモ』のことを事前に知らなかった人がデモ行進に途中参加し、スタート時点では3000人程だった参加者は、5500人程に膨れ上がった。

アースガーデン主催のマルシェが広がる代々木公園の集会場所では、安倍芳裕さん、山田正彦さん、座間宮ガレイさん、孫崎享さん、K-DUB SHINEさん、難波章浩さん、そして三宅洋平と山本太郎さんがそれぞれ集まった人々に向かって、秋晴れの空の下話をし人々は熱心に耳を傾けた。

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そして大デモの後、渋谷のclub axxcisで行われたアフターパーティー、『ザ・パーティー』も凄まじい盛り上がりを見せた。演説やトークショーでは「好青年」という感じの印象を与える三宅洋平さんだが、本業のバンドマン三宅洋平となるとまた目の色や迫力が変わってくる。

「山本太郎に指一本触れたら、俺たちが許さねーぞっていう迫力を出してこうな。紹介します!山本太郎!」

『ザ・パーティー』のステージ上に三宅さんは山本太郎参議院議員を呼ぶ時にこう言った。12月の衆議院選挙の頃から続いている山本さんと三宅さんの絆の強さが伺える。

ステージに現れた山本さんは「政治家らしくしろってよく言われます。政治家らしくしろって。くそくらえだー!政治家らしくするってことが、空気を読むってことばらば、政治家なんかくそくらえだー!」と選挙中と変わらぬブレない態度で、盛り上がる聴衆と熱気でいっぱいになったライブハウスで叫んだ。そして山本さんは前夜に成立した特定秘密保護法案について語った。

「昨日ね、最悪の法律が通ったけど、これ絶対に止められる。どうしてかって言うと、ここまで人間を馬鹿にした、こんな法律が通るなんてあり得ない。そうですよね?この中に自民党に投票した人いますか?これが民意ですよ。これがみんなの声ですよ。これが聞こえないなら、政治家なんてやめてしまえー!今日のこの夜を最高のグルーヴにしているのは、この自由な表現者達の存在ですよね。そしてこのフロアで踊っている自由な表現者達の存在ですよね。その表現の自由を奪わすような法案、法律、潰す以外ないでしょ。とにかく僕たちは今試されている。国が言えば、お上が言えば、全て言う通りにするだろう。1年経って、2年経って、3年経てば、すぐに忘れるような馬鹿だって、あいつらは思ってる。でも違う。今回のこの件に関しては絶対にけじめとってやりましょうね。…絶対にひっくり返してやるぞ!絶対に忘れないでよ!山本太郎が倒されても三宅洋平がいる。三宅洋平の次に立ち上がるのは誰や!全員で立ち上がろう!…国会の中にいる奴らが1番心配しているのは、自分がこのままずっと政治家を続けられるかっていう心配だけ。自分の党がどれだけ大きくなれるかってことだけ。『だったら俺たちの声を聞けよ』そのことを教えてやろう!」

山本さんの真っ直ぐな訴えに人々は沸き、歓声と熱のこもったフィードバックがライブハウス内を渦巻いた。

山本さんがステージを去った後に、三宅さんはバンドの演奏をバックに語り始めた。

「俺たちがこうやって踏み出してゆくことによって世の中のいろんなリアリティーが俺たちのものになってゆく。今日だって太郎君はここへ来る為に警察の警護を申し出られてる。だけど今日は申し訳ないけど出番が遅くなってしまうってことで、警察にも先に帰ってもらったよ。じゃあ太郎君守るのは誰なんだ?太郎はこう言った。『今日はみんながおるから大丈夫やろ』これが今の日本の政治のリアリティーなんだよ。今この国で自由にものを言おうとすると命を懸けなきゃいけないんだ。1人でも多くが一刻も早く立ち上がることが、俺たちの孤独を癒してくれる最大の勇気なんだ。だから立候補しろとばかりは言わないよ。ただ自分の中のマラドーナ、自分の中のチェ・ゲバラ、自分の中のジェームズ・ブラウン、マイケル・ジャクソン、ボブ・マーリー、どこにいるの?探して!探して!探してよ!ヤーマン!それは何も特別なことじゃないんだ。日々俺たちは1日1日営みを繰り返している。営みの中にハートが入って行けばそれは自然と世の中を良くしてゆくことに繋がるんだよ。デモって何の為にやるんだろう?世の中を変える為にやるのかな?違うよ。俺が変わるためにやったんだよ今回は!同じでしょ!同じでしょ!世界を変えるなんてたいそうなことは言えないよ。日々俺の怠け心にパンチ入れるんだよ。もっとやれ!もっとやれ!三宅洋平もっとやれって!俺を一番応援してんのは俺自身なんだ。その為に今日デモをやる必要があったんだよ。俺は俺の心に火をつけ続けたいんだよ。そこでみんなの顔を見る、もっと火がつくね、勇気が湧くね。そこにはサスティンナブルなエネルギーが流れてるんだよ!これが循環型の社会!人間イズ最大のフリーエネルギー!…ボブ・マーリーはルード・ボーイの代表だったよね。ルードボーイってなんだい?マフィアでもない、軍隊でもない、ポリスでもなければ政治家でもない。街にいる普通のお兄さん達の正義が一番正しいんだよ!ゲットアップ!スタンドアップ!立ち上がれ街のお兄さん!ゲットアップ!スタンドアップ!立ち上がれ街のお姉さん!」

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三宅洋平さんや山本太郎さんの周りでは、冷めた空気を吹き飛ばすエネルギーが渦巻き、心に火のついた人々の目つきは変わり始めている。

今日の夜19時からは、今年最後の日本アーティスト有意識者会議NAUが開催される。一般の人々も番組観覧可能。出演者は三宅洋平、DELI、椎名純平、斉藤まさし、座間宮ガレイ、岡本俊浩で、Anta MEDIAによる生中継も行われる。

大デモホームページ:http://bigdemo.jp/

大デモに関する記事:http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/07/big-demo_n_4405941.html#slide=3197541(ハフィントンポスト)

http://blogos.com/article/75423/(BLOGOS)

December 3, 2013

【社説】『大デモ』群衆が集合的に創り出す、社会的アートプロジェクト

2013/12/3 -Tokyo

三宅洋平さんは今年の夏の参議院選挙に立候補し、主に原発、憲法9条、TPP、さらにはグローバルな規模で起こっている戦争経済からの脱却や地球環境保護などの問題に対して、妥協を一切せずに真っ正面から大胆に問題提議をやってのけた。『選挙フェス』を全国で展開し、やさしいながらも精度の極めて高い言葉と音楽を駆使しながら、民主主義や選挙や政治について啓蒙的なメッセージを人々に投げ続けた。結果こそ落選だったが、全くの無名の状態から17万票という票を獲得し、選挙前とは一味違った、理想を掲げることを恐れない、新しいオルタナティブな政治勢力、もしくは新しい共通認識と勇気と熱を持った「意識の大陸」を日本に生み出した。

そんな三宅さんが言い出しっぺのデモ、『大デモ』が今週末の12月7日(土)に迫っている。

選挙や選挙演説の固いイメージを一蹴した三宅さんの『大デモ』の大きな目的の1つは、日本においてのデモのどことなく固く殺伐として近寄り難い、若者ウケしないイメージを変えること。政治について友人や家族と日常的に語り合ったり、市民運動に参加したりはしてこなかった、社会活動家でもなく、断固とした主義主張を持っているわけでもなく、TPPや特定秘密保護法案の綿密な内容や問題点を把握しているわけでもないけれど、漠然と現政権に不満を抱いている「普通の人達」がよりカジュアルに楽しくデモに参加できるようにすること。老若男女がカジュアルに参加できて、音楽が流れ、様々なパフォーマー達がいて、マルシェなどもある、多様性の漲るパリやベルリンで行われるような、思わず踊り出したくなるような楽しいデモを三宅さんは思い描いている。

同じベクトルを持った人がたくさん集まって「お前らあんまり調子に乗るなよ」と政府にプレッシャーを与えるのがデモの目的。数は力であり、団結した群衆は権力にとっては脅威なので、一般のごくごく普通の人々が団結して理想を掲げることは、自民党やアメリカや多国籍企業の意思やビジョンではなく、市民の民意を政治に反映させて、少しずつ理想を市民の元にたぐり寄せてゆく為にはとても有効だし必要なこと。なので、現政権は好きではないけれど、デモのガチすぎる感じの雰囲気も好きではない、という人々の為にデモの敷居を下げる『大デモ』のアプローチは名案だし、 デモの目的を踏まえると実に現実的な考え方でもある。

私は個人的に『大デモ』をとても楽しみにしている。夢や理想を語れない冷めた社会から脱却することや、地震、津波、そして自然災害ではなく人災である原発事故を経験した日本人が抱いているある種の共通認識や感情を再び確認し合い、拡散し、一般市民が結束を強め、再びコミュニティーを創出することが必要な今、『大デモ』はその足がかりになるかもしれないと思うし、単純に『大デモ』がどんなデモになるのか興味深くもある。

経済的、物質的には豊かにはなったけれど、表面的な豊かさにばかり気を取られているうちに心が置き去りにされ、コミュニティーが細分化され、人と人との繋がりが希薄な寂しい社会になってしまった日本社会だけれど、地震や津波や原発事故といった大惨事を経験し、今またバラバラになった社会の中のあちこちで集合への欲求や、未来や健康を妥協するのではなく、シンプルに理想を掲げて進みたいという欲求が高まっている。原発事故後の日本という新しい時代は、私たちにとって、同じ社会の中で同じ時代を生きている人々とバラバラにではなく、再び共に生きることを始められる大きなチャンスの時期だと私は思っている。

「社会的アートプロジェクトとしてのデモ」

理由も無いのに音楽を演奏したり歌ったり踊ったり、絵を描いたり文章を書いたりするのと似て、デモはどちらかというと模索的で非合理的でクリエイティブな行動だと私は思う。合理的に効率的に動きたいと考えるのも人だけれど、非合理的な行為というのは、人間が人格を形成したり、社会や思想や芸術を成熟させてゆく為には最も大切な作業の1つ。

例えば1万人くらいの、ざっくりと同じような未来を思い描いている人々が物理的に集合して、一緒に夢を見たり、語り合ったり、平和の行進をしたりしたら、そこにはどんな空気や感情やアイディアが生じるだろうか?得体の知れない勇気を得て、何かをやってみようと思う人々もいるのではないだろうか?非日常的な光景や空気(群衆が集合的に創り出しているアート)に感化されて、人々は足を止めて何かを感じたり考えたりするのではないだろうか?

機械は証明されていることや効率の良いことだけをやるけれど、生ものであり心や感情を持っている人間は、非合理的なこと、短絡的に見たら意味のないこと、お金にも社会的地位にも資格にも学位にもならないけれど大切なことやおもしろいことなどもしっかりやらなければいけない。何らかの理由で何かをやりたいと感じ、思考し、行動に移し、試行錯誤を繰り返すことで物事はゆっくりと成熟してゆき、私たちは「何か」に近づくことができる。

デモをやってストリートに出て平和を叫んだからといって、すぐに戦争が無くなるかといったらすぐには無くならないだろうし、脱原発のプラカードを持って街中を練り歩いても、核のない社会が一朝一夕で実現するということはまずない。デモをやってみて、どのくらいの数の人々が賛同してデモに参加するのかも不確定。仮に数十万人のデモが起きたとしても、それによってもたらされる変化が具体的にどんなものになるのか断言することはできない。

だけど、わからないからこそやらなければいけない時もあると思う。最終的に戦争が無くなるかどうかはわからないからといって、戦争反対を叫ぶことをやめなくてはいけないということはないし、すぐに脱原発できるかはわからないけれど、もし自分が核なんか無い方がよっぽどいいと思っているなら、しっかりと夢を見続けて、自分にできることをやればいい。日本人はもっとドリーミーに、ロマンチックに生きてもいいと思う。

それに、人間の行動や習慣や、何を「普通」と捉えるかは、文化的、習慣的に確立されてゆくものなので、あるアイディアやビジョンが多くの人々によって集団的に共有され繰り返されれば、それはおのずと「普通」の現実となってゆく。硬直しているように見える日本の文化も、人が変われば変わるのである。

結果が見えない、成功する保証が無いという理由だけで、何かをやってみることが許されなかったり必要以上に批判されたり弾圧されてしまうような社会は、夢を見ることを許されない至ってつまらない社会だ。日本にはたくさんの素晴らしい文化もあるけれど、そうでない文化も多い。自由を嫌う窮屈で陰険で想像力やビジョンに欠けるパッシブアグレッシブで他人任せで無責任な文化には、できる限り染まらないでいたい。

ビジョンを持ち、自分のいる位置、立場、手元からやれることをやる。自分自身のベストを尽くすことが、私たち一人一人にできる唯一のこと。自分にできることは何かを自分の頭で考え、より多くの人が他人と競争したり合わせることにエネルギーを使うのではなく、あくまでも自己のベストの更新を継続してゆけば、まず国民の間に主体性が生まれ、次にその国民性がお国柄にも反映されてゆき、大きな空気も変わるかもしれない。

これから日本はある種の予感や理想を抱き、市民が結束を強めながら、夢の見れない冷めた社会から脱却し、共同体が持ち始めた共通認識の再確認や拡散を段階的に継続的にしてゆき、新しいポジティブな文化を築いてゆけるかもしれない。私は様々なことを日本に期待しているし、ポジティブな方向へのシフトの為に自分自身もやれることはやりたいと考えている。

『大デモ』は原発事故後に新しい時代に突入した日本における極めてポジティブでクリエイティブな「社会的アートプロジェクト」だと私は捉えている。三宅洋平さんのやっていることは、音楽活動であり、社会活動であり、政治活動であり、アート活動。『大デモ』からまた新たなコミュニケーションが生まれ、人々はお互いに出会い繋がり、インスピレーションや人間関係が生まれ、この若いムーブメント(または時代)は繋がり生き続け成長し続けるだろう。

では、デモで会いましょう。

 

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三宅洋平さんのブログ

http://ameblo.jp/miyake-yohei/

November 24, 2013

てんこもりだよ!【第10回: 日本アーティスト有意識者会議NAU】大詰めの特定秘密保護法案/国会での嫌われ者、メール・ファックス野郎/デモと言えば蝶ネクタイ/エンディングでのボレロ/そろそろ欲しい一勝etc

2013/11/25

昔僕らはもっとアーバンな(例えば中華料理屋のような)場所で政治について語り合ってましたね、と三宅洋平さんは話し出した。11月21日、第10回日本アーティスト有意識者会議NAUの公開生放送収録が都内某所で行われた。その晩、三宅さんは日比谷公園での特定秘密保護法案の反対デモに行っていた為会場には遅れて到着。『大デモ』企画の言い出しっぺでありながら、デモなんかやって意味あんのかよ!と思ったり、疲れてると面倒くさかったり、(酒の飲み過ぎで)体調が悪いこともあるけど、今日はやっぱり行ってよかった。得体の知れない勇気をもらったし、とても良い空気だった、と放送のオープニングで三宅さんは日比谷公園でのデモの感想を述べた。

今回の放送のゲストはラッパーのDELIさん、DJの沖野修也さん、参議院議員の山本太郎さん、ブロガーの座間宮ガレイさん、そして司会はフリーペーパーLJの編集長の菊池祟さんというてんこもりの顔ぶれ。

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(左から)菊池さん、山本さん、DELIさん、三宅さん、沖野さん、座間宮さん

NAUを1年前に始めた頃は聴衆はゼロだったけれど、選挙フェスや他の様々な活動を経て1年経ってみると、彼らには多くのオーディエンス(もしくは新たに生まれたオルタナティブな政治勢力)がついていた。

今回の放送の主なトピックは、9万件(反対が約8割を占めた)のパブリックコメントが寄せられた極端に評判の悪い「特定秘密保護法案」や、三宅洋平さんが言い出しっぺの「大デモ」など。三宅さんや個性豊かなゲスト達による機知に富んだシャープな政治批評やユーモラスな社会風刺が飛び交い、会場は全体的に終始明るく和やかな雰囲気。しかし和やかなだけではなく、会場の空気はメリハリ良く恐怖や笑いや危機感や決意で満ちた。

<特定秘密保護法案が通った後の世界を妄想>

最も盛り上がったトークのトピックの1つが、特定秘密保護法案が通った後に起こるであろう混乱についてのトーク。

危惧されることの1つは、『スフィンクスの問答状態。』公務員や一般市民やジャーナリストが「何が秘密かは秘密」だから、理由もわからずに逮捕されるという事態が起こるわけだけれど、理由もわからない状態で逮捕するわけだから、逮捕する側とされる側の両方に当然混乱が生じるのではないのだろうか?「スフィンクスの問答」みたいになっちゃったりしてね、と三宅さん。「俺は知らん」「いや、俺も知らん」「俺こそ知らん」「お前の方こそ知らないのか」みたいな具合に。

『逮捕の理由もわからず、「秘密」を抱えたまま一体どうやって裁判をやるのか』というのもこの法案の大きな突っ込みどころ。特定秘密保護法絡みの裁判が起きたときに、逮捕された理由を裁判長すら知らない状態で、一体裁判はどのように行われるのだろうか?是非、仮に自衛隊員や公務員が機密を漏らしたという設定の「模擬裁判」をやって見せて欲しい、と一同興味津々。

政府は26日に特定秘密保護法を通そうとしているわけだけれど、具体的に廃案にするにはどうしたらいいのか今まで知らなかったから、今は躍起になってみんなで勉強する機会だと捉えるしかない、と三宅さんは言う。

この法案が通ったら塀の外に日本人がいなくなっちゃうかもしれないね。笑 入り切らないから順番待ち、みたいな。満員で入れないから「早く入れて下さい」みたいなね。笑 とジョークが飛ぶ。

とにかくグレーな部分が多いこの法案。この法案が成立することによって、みんなが口をつぐみ合うような社会の風土をつくれればいいのだろう。社会の空気が硬直し、同調圧力操作がなされる。例えば、原発の作業員の人達も「ヤバい」情報をたくさんもっている。原発やTPP絡みの取材はやりにくくなるだろう。

ブロガーの座間宮ガレイさんは、もし逮捕された場合「探さないで下さーい!」というビデオを流してくれと既に友人に頼んであるらしい。笑

<「サイバーテロ」の仕掛人、国会での嫌われ者「メールファックス野郎」山本太郎登場>

今回の放送には、参議院議員となって4ヶ月の山本太郎さんも出演。山本さんは、みかん箱の上に立って特定秘密保護法案の危険性を訴える為の街宣「全国キャラバン」で全国を巡った。キャラバンはマスコミは全く見に来ないけれど、街宣を始めると道ゆく人々が足を止めて、話を聞いているうちに人々の目の色が変わっていったと山本さんは言う。

キャラバン中、山本さんは地元の議員に特定秘密保護法案に対する反対の意思表明や 「この法案に反対してくれない場合、次の選挙からあなたにはもう投票しません」といったような、国会議員にとっては背筋が寒くなるような内容のメールやファックスを送ることを有権者に勧めていた。なのでおそらく国会では自分は迷惑な「メール・ファックス野郎」として認識されていると思うと皮肉たっぷりに語った。

山本さんによると、国会議員に対して最も効果のあるのはアナログな手紙やファックス作戦らしい。電子メールは「何件」と数字で片付けられてしまうけれど、ファックスは物理的に事務所に紙の山ができるという状況をつくれるので、ファックスや手紙の方が効果がある。だから大事なメッセージはデジタルよりもアナログで。

ちなみに、このファックス作戦に対して「サイバーテロを止めろ!」という苦情がある党からあったらしい。低予算でソーシャルメディアやボランタリーなネットワークを駆使してネット選挙を戦った山本さんや三宅さんにしてみると、ファックスをサイバーテロと捉える現実と乖離したセンスが新鮮であり「そりゃネット選挙できないわ!」と会場で笑いが起こった。

包丁や銃弾を送りつけられている山本さんの状態に比べれば、有権者の声や想いをのせたファックスによる「サイバーテロ」くらい、かわいいものではないのか?という素朴な疑問もある。

特定秘密保護法案に関して山本さんは、どっちみち逮捕されるなら、この法案を通さないために行動を起こして逮捕されたほうが、逮捕されるタイミングとしてはいい。通った後にやっても駄目だと言う。うるさい人達を黙らせるため、弾圧するためにある法案だから、この法案が通ってしまったら、黙った方がいい。だから通る前に、例えば10万人で国会審議を止めるようなことをやるとかしないといけない。とにかく今国会期中にこれを通させない。留保戦術で伸ばしてゆく、と山本さんは危機感の強いコメントをして会場を後にした。

<沖野修也:デモと言えば蝶ネクタイ>

「デモと言えば蝶ネクタイ」とデモについて楽しそうに語るのは沖野修也さん。

基本的に、おもしろくないと動きたくないというポリシーを持っている三宅さんが言い出しっぺのデモは当然おもしろくなる方向へと向かう。そのおもしろいものの1つとして、「沖野修也が蝶ネクタイしてDJすんのが見れるよ」とのこと。

そんな沖野さんが披露したのは、ドイツのミュンヘンで参加したデモでのエピソード。彼はミュンヘンのデモで会って仲良くなった女の子の家に遊びに行って、女の子の部屋に行くと、手作りのピースサインのプラカードが飾ってあるのが目に入った。デモの時には皆手作りのプラカードを作って、君のかわいいね、君のかっこいいね、となる。

デモのイメージとして、日本ではちょっと危ない人がやるのがデモ、というイメージがあるかもしれないけれど、その女の子によるドイツのデモの感覚は、「ピクニック以上、危ない人の集まり以下」というあたりのライン。絶妙な例えのように聞こえる。それが沖野さんにとっての15年前のドイツ。沖野さんは今年日本での選挙フェスや大デモを見て、やっと来たか!と歓喜している。

DJは踊らせやのイメージだけど、物事の価値観を変えるのがDJなのだと沖野さんは言う。踊れないはずの音楽で踊らせる、つまり価値観を変えるのが、僕にとってのDJの使命。三宅洋平が選挙演説の価値観を変えたように、自分もデモの価値観を変えるのに一役買いたいと言う。ドイツのミュンヘンで出会った女の子のようにデモの当日は「1人の参加者として、かわいいプラカードを持って参加します」と沖野さんはお茶目にエピソードを締めくくった。

<大デモ、定義は自由>

デモが何かは自分が定義する、日本人もそのくらいになっていったらいい、と三宅さんは言う。 「誰か」がやるデモだという簡単なファクターにすがりついてしまう日本人がまだいる。ナタリーの記事で、このデモは「三宅洋平が率いる」と称されていたけれど、それでは主体性がない。言い出しっぺではあるけれども、このデモは自分の手からどんどん離れていってほしい。みんなが好き勝手にやってほしい。そして海外のデモとはまた違ったデモカルチャーが日本から始まればいい、と三宅さんは話す。

デモの敷居を下げる、というのがデモの雰囲気を楽しくする為に「大デモ」がとっている作戦の1つだけれど、それは例えばTPPのような具体的なトピックが踊りすぎると政治にそこまで詳しくない人達が食いつきにくいから。人をたくさん集めることがデモの1つの大きな目的であって、「集まれ!」と叫びながら排除してはいけない。リベラル勢力はお金ではなく理念で結びついているがゆえに内ゲバが起きやすく、些細な理念やスタイルの違いが原因で排他的な空気となってしまうこともある。そうではなくて、漠然とした大きな部分での意思の共有はできるんじゃないかな僕ら、といったくらいのノリで自由に、難しいことは気にせずに参加して欲しいというのが大デモの趣旨。デモをどう使うかは自由。デモで歩きながら商談してもいいし、ただおしゃべりしてもいいし、食べ歩きしてもいいし、散歩のつもりでもいいし、デートしてもいいし、ナンパしてもいいし、パフォーマンスをしてもいい。悲壮感はいらない、楽しくやるのがいいし、実際楽しくないと続かない。

マスクしながらデモというのもインパクトがあると思う、とDELIさんは言う。被曝のこともそうだけど、旬を過ぎると、「まだ言ってるの?」となってしまうことが世の中には多くあるけれど、あえて言うのも大事。「参加してる人全員がガイガーカウンター持ってたりしてね」とジョークも飛ぶ。

実際、デモのコースの線量は測って公開され、デモ本部では子供向けのマスクを配布することが決まっている。デモにはマルシェやお店の出店もあり、 サウンドカーの上に某ファンクバンドがのって演奏するという企画もある。

「サウンドカーの速さもけっこう関係あるよね。サウンドカーが速くてついていけないこともあるよね」とDELIさんがデモにまつわるエピソードを話すと、会場の雰囲気はまた和やかになった。

<三宅洋平:45過ぎたら映画監督になりたい>

ミュージシャンとして知られている三宅さんですが「45越えたら映画監督になりたいんですよ」と唐突にもう一つの企てについて話し始めた。

三宅さんが描きたいのは、放射能の問題などもシビアな茨城あたりのヤンキーを主人公にして描く、国のリアリティーと自分たちの無力さに直面してもがく若者達の姿。

エンディングの曲は優雅で壮大な「ボレロ」と決めている。オーケストラの楽器が同じ旋律を繰り返しながら、曲の進行と共に1人ずつ1りずつ加わってピークへと向かう曲。

映画の終盤で、主人公が感極まって言葉にできない感じになって、とにかく国会に向けてバイクを走らせる。ボレロが流れる。楽器が加わり音が重ねられるにつれて、主人公の周りにも一緒に永田町へ向けて走り出す人達が1人、また1人と加わる。クライマックスでは、商店街のおじさんおばさん、女子高生、サラリーマン、ヤンキーに芸術家、エリートにミュージシャン、先生や公務員、自衛隊員から現場仕事の人から主婦まで、老若男女みんなが永田町に向かって走る!という感じのエンディングにしたいのだと三宅さんは語る。三宅さんが映画のエンディングについて話し終えると、沖野さんが「三宅さん。映画のエンディング全部ばらしてどうすんの?」とすかさずツッコミを入れる。三宅さんは「デリ君にも近所の喫茶店のマスターの役とかで出て欲しいな」と楽しそうに語った。

「大デモ、僕の中では「ボレロ」が流れてます」

<国会の若者っぽい言葉遣いと、そろそろ欲しい一勝 >

特定秘密保護法案について、今回ばかりは、「あーまた駄目だったね」で流してはいけない、国会の通行口を何万人もの人達で塞いで、国会議員が国会に入れないようにして法案を審議させないとかしてでも止めないといけない、と三宅さんや山本さんは危機感を露にする。ここで勝って、市民活動が「一勝」して、勝ちを経験しなければいけない。

このままでは民主主義のようで民主主義じゃない「民主主義状態」法治国家のようで法治国家じゃない「法治国家状態」侵されてはいけない憲法が侵されている「違憲状態」がずっとまかり通り続けてしまうことになる。

一票の格差を巡る問題で出現した「違憲状態」という言葉(実際はただの「違憲」)に対して、はぐらかす時の言葉遣いが若者っぽいな国会も、と三宅さんがコメントを添えた。「状態」の「正体」とは一体何なのか?と誰かが韻を踏んだ。さすがはミュージシャン。「韻とダジャレは紙一重」らしい。

政治を放ったらかさないと決めた今、「へー、法案ってそうやって決まって行くんだね」と現在進行形で僕たちは学んでいる。真剣ではありたいけど、深刻にはなりたくない。ネガティブな要素に見える放射能や原発のことを巡って、僕らはこんなに国のことを考え始め、今まで苦手だった科学や経済や政治のことを学び始めた。今こんなに僕らが必死になって勉強したり行動したりしているのは、放射性廃棄物というモンスターを抱えてしまったからだけれども、放射能というのは、神様が僕らに置き落としたものなのかもしれないという解釈が今の僕の中にはある、と三宅さんは語る。

これからの展望について、政治に対する反応の仕方や情報共有のツールも進歩しているから、今までと同じはずがない。法案を通すやり方、立候補した人を通すやり方、廃案にするやり方も僕らは学んでいる。直接的なことをたくさんの人数がやらないといけない事態になることもありうる。殺伐としたダイイングメッセージよりかは、平和の行進によって日本をつくっていきたい、と三宅さんは言う。

November 20, 2013

【憲法カフェ番外編】川内博史:知ることを諦めずに質問し続けることで物事をシンプルにしてゆく

2013/11/21

11月13日にせたがや がやがや館で行われた憲法カフェ番外編『秘密保護法案について話そう』で、プロジェクト99%の安部芳裕さんと、川内博史前衆議院議員が講演した。

憲法カフェ

講演が始まってまず川内さんがした話は処刑されるソクラテスの話だった。プラトンが書き残した、処刑前のソクラテスの最後の弁明の内容は、「アテネの皆は世界一の街に住んでいるが、お金や物に心を奪われて本当に大切な魂をどこかに置き忘れているのではないか?なんの為に生きるのか?本当に大事なのは『こころ』であると皆が思い出 してくれるのならば、私は喜んで処刑されよう」といった内容だった。川内博史さんは現在の日本でも多くの人々が物質的な豊かさにごまかされ、翻弄され、「こころ」をどこかに置き去りにしていると危惧しているのだろう。

川内さんは、一見うやむやに見える収集のつかなそうな事態も、沸いてくる疑問に対して丁寧に根気よく質問をし続けることによって、わかりやすくシンプルにし てゆくことができると言う。そしてシンプルな事実を国民が共通認識として持ち、安易なイメージや妥協による政治決定ではなく、慎重な審議や議論やしっかりと検証された確かな情報などに基づいて国をつくってゆくことが大切。未だに解明されていない原発事故の原因や、不必要な消費税増税などについて、川内さんは自ら政府や東電に質問し請求した、政府や東電のクレジット付きの資料に基づいたプレゼンを行った。

この記事では川内さんが福島第一原発一号機の原子炉建屋内で実際に行った検証作業などに焦点をあてる。

<福島第一原発1号機の原子炉建屋内での撮影と検証>

事実を解明してゆく作業の一環として、川内さんは今年の3月13日と28日に、自ら福島第一原発1号機の原子炉建屋に入って撮影を行った。原発事故の原因はまだ 解明されていないので、記録を残しておくことが極めて重要だからだ。爆発でぐちゃぐちゃになっている原子炉建屋の内部は、原発事故の原因を究明する為の証拠の宝庫。まだ専門家による検証作業が行われていないのは、建屋内の線量が高く、長い時間のかかる検証作業を行うことが困難な為。撮影した映像がチラチラしているのは高い線量の為。本格的な検証作業の前に東電に原子炉建屋の中を片付けられてしまうと永遠に原因がわからなくなってしまうので、できるだけ記録を残しておきたいと川内さんは言う。

<地震による配管損傷の可能性>

「津波による全電源の喪失」というのが1号機の水素爆発の原因とされているが、地震による配管損傷や原子炉損傷の可能性もある。もしも地震による原子炉損傷や配管損傷が原因だった場合、安全対策の講じ方や、既存の原発の安全基準にも当然より厳しく懐疑的な目を向けなければならなくなる。

川内さんの「地震による原子炉損傷の疑いについて解析をして下さい」という問いに対して、「爆発の原因はわかっていない」というのが現在の政府の見解。

<水素爆発が4階で起きたのか5階で起きたのか>

1号機の原子炉建屋の爆発が4階で起きたのか5階で起きたのかはまだわかっていないことの一つ。

原子炉建屋は5階建て。川内さんのカメラが入り、1階から上階へ上ってゆく。金属製の階段、配管、ちらかっている建屋内。オレンジ色の階段は4階から5階へ上がる階段だが、爆発で潰れているため、誰も5階へは行けない。

高温の水素ガスが溜まり爆発に繋がったわけだが、5階はオペレーションルームとなっており、火元がないので発火源がわからない。

4階の天井には大きく空いた口がある。5メートル四方の大物搬入口だ。5階での作業に必要なものを出し入れする穴で、作業する時以外は人が転落したりしてしまうと危ないので閉まっている。燃料棒の出し入れ作業などもそこで行われていた。しかし水素爆発の後、その大物搬入口を閉じていた1.5tの鉄板が紛失していた。東電はどこにいってしまったのかはわからないと言っている。5階で爆発が起こり、下に落ちていれば下の階のどこかにあるはず。しかし4階で水素爆発が起きたとすれば、蓋は上に吹き飛ばされたという可能性が出てくる。

4階で爆発したのか、5階で爆発したのかは事故原因解明において非常に重要なポイント。

<非常用復水器>

非常用復水器は、地震などの際に自動的に起動して原子炉に水を回し、8時間から9時間炉心を冷やし続けることによって炉心の安定を保つ。一号機の水素爆発は、非常用復水器がきちんと作動していなかった為に起きたのでは?という説がある。

記録によると、14:46 に地震が発生し、非常用復水器は正常に作動したが、15:03に停止したとある。なぜ停止したのか?東電側の説明によると、「原子炉圧力陽気温度の変化率が55度/hrを越えないように停止操作。(手順書あり)」つまり非常用復水器は15:03に手動で停止されていた。

そして川内さんが非常用復水器を止めた理由が書かれているはずの「手順書」を請求すると、たくさんの事項が黒塗りにされた手順書が東電から川内さんに渡された。黒塗りの手順書が「非常におもしろい」ということで、その手順書が、NATUREに”Information blackout seen in redacted manual” 「編集された手順書に見られる情報ブラックアウト」という不名誉なサブタイトルと共に国際的に権威のある科学雑誌の表紙を飾った。そしてその後に、黒塗りのとれた「手順書」が公開された。

<水位計の表示>

1号機の4階には、2つの非常用復水器A系とB系ある。2011年10月18日にB系水位が85%となっていたが、2013年3月28日には、水位計が100%を指している。

どういうことなのか?

これまで水位計の表示も事実解明の参考にされてきたわけだが、川内さんが「水位計自体は信用できないのではないですか?」と聞くと当時の東電部長(現在は上務)は「そういうことですね」と答えた。

「4階と5階で同時に水素爆発が起きている可能性がありますね?」という問いに対しても、当時の東電部長は「可能性は大いにある」と証言している。

これらの証言は、原発事故の原因解明に直結する可能性のある重要な証言だと川内さんは言う。

<一号機でだけ作動しなかった記録装置>

原発には非常時の記録を残しておく為の記録装置がある。地震が起きて津波がくるまでの間(全電源を喪失する前)は非常用電源が作動し、様々なデータが残されているはず。しかし実際は、1号機のデータが取られていない。

配管損傷があったのか、津波で電源喪失するまでは大丈夫だったのか?そもそもなぜデータがないのか?川内さんが質問をすると、「プリンターの紙づまり」の為に記録が残らなかった、と東電側から説明された。原子力防災科は「補助記録装置は無く、電子的な記録も残されていない」と言う。

日本全国の原発でまた何かあったときに、また「紙づまりではまずいんじゃないですか?」と川内さんは聞く。東電側から渡された資料を見ると、福島第一原発の1号機だけで、データのバックアップがとれない状態になっていた。

<2号機と3号機にはまだ人が入っていない>

原因究明が全く手つかずの状態で現政権は再稼働や原発輸出を積極的に進めているというのが事実。

事故後、2号機、3号機にはまだ人が入ったことはない。線量が高過ぎて入れないからだ。現場検証をしなければ事故原因の解明はできない。しかし事故の原因もわかっていないのに、原子力規制委員会は新安全基準を作成して再稼働しようとしている。

「(津波による電源喪失ではなく)地震による配管損傷の可能性」を実際に政府も認めている。

<ミリシーベルトという単位について>

聞き慣れた「シーベルト」という単位、実際に何を示しているのか?「シーベルト」とは、突き詰めると、「人が何人死ぬか」を示す単位だと川内さんは説明した。

人の体には約60兆個の細胞があり、 1ミリシーベルトの被曝をすると、60兆個全ての細胞に放射線が1本ずつ突き刺さる。2mSvだと2本、3mSvだと3本の放射線が全ての細胞に突き刺さります。放射線は細胞を傷つけ、修復される細胞もありますが、細胞が修復されなかった場合、そこから癌や白血病が発症する。

1mSvの被曝による癌で死亡すると推定される人数は一万人のうち0.5人。20mSvだと11人。

<未知の領域>

今月の18日に始まった核燃料棒の取り出し作業や、これから少なくとも40年はかかると言われている廃炉作業は、東電はもちろん、人類が今まで直面したことのない状況。

燃料棒取り出し作業の工程表には「これから研究します」と書いてある。全てのことについてこれから。除染、放射線廃棄物、使用済み核燃料棒の処理の技術、どれ一つとして確立していない。

東海村の使用済み核燃料棒最終処分研究所でもそれは同じ。問題は、全て「将来なんとかします」というのが今の現状。

東海村の研究所の試験で使われている核燃料棒は4メートルくらいの細い棒で、近づいたら人は即死してしまう為、厚いガラスの向こうにある。ロボットアームをつかって持ち上げ、切って、硝酸液をかけて溶かす、そしてそれをプールに入れる。川内さんが「プールの底はステンレスだから溶けるんじゃないですか?」と聞くと「そうでしょうが、将来なんとかします」と返ってくる。

こんな状態で原子力を使い続けるのは、正気の沙汰ではない。

1号機は水素爆発だったが、3号機は核爆発だった疑いもある(自発核分裂が起きていたことは政府は否定していない)。クロル38が出たという報告は政府の資料の中に存在する。 仮に水素爆発だったとしても、少なくとも広島型原爆の168発分の放射性物質がでている。しかし、もしも3号機の爆発が核爆発であった場合は、3桁くらい違った数字になってくる。情報が明確にされ、知らされなければならない。

情報公開は民主主義の大原則。人権が軽視、無視されがちな軍事国家、警察国家、ファシズムの元では情報は隠され、豊かで住みやすい人権社会では情報は公開されオープンになる傾向がある。「政府は国民が諦めるのを待っている」と川内さんは言う。知ることや、自分たちの民意を反映させることや、腐敗と戦うことを国民が諦めるのを政府は待っている。偽りでない豊かさを手にするには、当然私たちは諦めずに、真実を知ろうとしなければならない。国の舵を取ってゆくためには、私たちはまずは知らなければならない。

November 7, 2013

【第9回:日本アーティスト有意識者会議NAU】三宅洋平、吉原毅、座間宮ガレイ、そして名も無き何十万という群衆(もしくは有意識者達)の話

2013/11/7

10月31日、夜8時過ぎ、NAU(日本アーティスト有意識者会議)の月に一度の番組配信で、「選挙の方が目的が1個でわかりやすかった。アフター選挙のが大変」と、三宅洋平さんは生中継の会場に足を運んだ約30人の人々と、ネット配信を見ている視聴者に向かって話し始めた。

選挙後、三宅さんは多くのインタビューやイベントに出演しながら、音楽活動、政治活動、共に続けている。

三宅さんは、今週末11月9日、10日に自身が沖縄で始動した野外音楽フェス「残波ジャム」を控えていて、来月12月7日には、自身がプロデュースする初のデモ「大デモ」があり、準備を進めている。

今回のNAU生放送のゲストは、日本で最初に脱原発宣言をした金融機関、城南信用金庫の吉原毅理事長と、初のネット選挙で、ブロガーという独立した立場から、独自に築いたネットワークとユニークな発信方法で山本太郎さんの選挙をブレーンとしてデジタルとアナログの両サイドからサポートし、選挙フェスでは自らステージにも上がり日米原子力同盟について演説をした座間宮ガレイさん。

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吉原毅さん、座間宮ガレイさん、そして三宅洋平さん、現在それぞれのフィールドで先陣を切って日本の未来を切り開こうとしている3人の有意識者が、それぞれの切り口から今までの日本、これからの日本について語った。

それぞれのトークの要所をまとめて紹介する。

【吉原毅:城南信用金庫理事長】

吉原毅さんが番組中に最も時間をかけて語ったのは、「お金」とは何か、という根源的、哲学的、道徳的なテーマだった。彼は自身のことを、健全に的確にお金を使ってもらえるように融資をするプロ、と職業的な自分の立場を明確にした上で、現在の日本の大きな問題の1つは、「お金」に対する問題意識が皆無であることだと語った。

昔は高校生も大学生も、商店街のおじさんやおばさんも、「お金とは何か」といったようなことに対する意識を持っていて、皆それについて真剣に議論をしていたと吉原さんは言う。その頃人々は現在のように、お金とは良いものだ、大事なものだ、無くてはならないものだ、と手放しで盲信的にお金や経済を崇拝しなかったと言う。

お金は人の心に麻薬のように作用するものであり、道徳や哲学がそれを制御する為に必要であるが、お金に対する問題意識や道徳心は、70年代の後にぶち壊されていったと吉原さんは語った。

お金や「豊かさ」によってもたらされた「自由」によって、人々は手を取り合って助け合う代わりに、お互いに距離を置くようになってしまった。お金がもたらした「自由」によって人は表面上では1人で生きてゆけるようになった。 人々はバラバラになり、地域のコミュニティーや、血の通った人と人との繋がりは失われていった。そしてコミュニケーションの手段がお金しかなくなってしまった。戦前には普遍的だった大家族も姿を消し、戦後には一般的な家庭の形は核家族となり、そして現在はその核家族の残骸のようなものがある。

「豊か」であっても、コミュニケーションや人と人との繋がりが希薄で、心の貧しい社会となってしまったわけである。

廃炉問題とそれにかかる費用についての質問に対して、吉原さんは、東電は廃炉費用はおそらく計算していない、見て見ぬふりをして、問題を先送りにしている。問題を先送りにするのは「不良債権」そのものであり、不健全な未来しか見えないような事業(原発事業)はやらない方が良い、と金融業者らしい意見を述べた 。

「リスク」と「クライシス」とはそもそも全く異なるものであり、金融機関が「クライシス」(この場合は原発事業)にお金を融資するというのは、そもそもあってはならないことであり、責任のある相手にしか融資をしないのが、責任のある金融機関であると述べた。しかしメガバンクは、原発に対して「乗りかかった船」状態になっており、引くに引けない、今更梯子をはずすことができないでいるのだと言う

これから日本社会をシフトしてゆく為には、今現在日本で原発は一基も動いていないという事実や、それでも電気は余裕で足りているという事実、そしてどのくらい余裕があるのかなど、正確かつシンプルな事実を伝えてゆくことが大切だと吉原さんは語った。

生放送中、小泉純一郎元首相と城南信用金庫の関係も話題に持ち上がった。最近になって小泉純一郎元首相の脱原発発言がメディアによって多く取り上げられているが、去年4月の段階で、小泉純一郎元首相は脱原発についての講演を、約1000人の城南信用金庫のお客様を招待したパーティーで行っている。

自民党とは、歴史的に原発を推進してきた張本人である。自民党の小泉純一郎元首相の脱原発発言について、吉原さんは「方法が目的化してはいけない」という切り口から語った。政治とはイデオロギーやプロパガンダや主義主張の激しい世界ではあるが、「あいつとは手を組みたくない!」というのは、単なる稚拙なエゴやプライドであると言う。目的や理想を忘れた政治家達は、「単なる当選した人達の集まり」でしかなくなってしまい、自分のイデオロギーや派閥にしがみつき、結局存在することはできても、理想や目的を達成できない。民主党が失敗したのもまさにその為であり、彼らは選挙で勝って存在することはできたが、目的を果たすことはできなかったのだ、と吉原さんは言う。

分断と争いは簡単だが、融合は難しい。逆に言えば、自民党の強みとは彼らの「アメーバ性」であり、今は過去のことを水に流して、脱原発の為に手を取り合うタイミングである、と吉原さんは言う。

【座間宮ガレイ:ブロガー】

2011年3月11日からノンストップでリサーチや発信を続けている、ブロガーの座間宮ガレイさんは、参議院選挙中は、山本太郎参議院議員のブレーンとして、独自のネットワーク感覚や感性、様々な媒体を利用したユニークで機敏、そして感情や血の通った発信方法や拡散方法を駆使して活躍していた。

ネット選挙最前線を突っ走っていた座間宮さんは、今回「ネットワークの本質」について語った。

ネット選挙では、選挙に関する情報の伝達スピードが著しく変わったことや、それによって機動力が断然上がったこと、人を集めることが容易になったことなどがあるが、座間宮さんが、ネット選挙を通じて気づいた「ネットワークの本質」というのは、ネットワークは「当事者意識」を生むということだった。

何らかの組織に属することと、ネットワークの一部を担うこと、座間宮さん風に言うと「ネットワークコア」となることは全く異なる経験だ。ネット選挙中に人々の間に生まれた、自分は血の通ったネットワークのコアであるという意識と感覚は、自分がまさに選挙情勢を変える当事者であり、情報発信者であり、運動の一部をつくっているのだということを、人々に強く意識させたと座間宮さんは言う。それによって今回の参議院選挙では、山本太郎さんや三宅洋平さんの周りで、自発的な運動員が増殖した。

「ネットワークコア」の特徴としては、コアにいる人々が動くことによって、運動がより共有、拡散、展開されると同時に、今まで外にいた人々もコアに呼び込まれ、コアとして動き始めるというところだ、座間宮さんは説明する。

例えば、彼の動きを見ていたアメリカ在住の友人は、参院選中にアメリカから東京にいる友人に1日10本投票を呼びかける電話をするというノルマを自身に課していた。彼は新たな「ネットワークコア」となったわけだ。

このように多くの人々が血の通った動きをしたのは、単純に情報の拡散が容易なデジタルなネット選挙だったからではなく、アナログなエネルギーが介在したからであると座間宮さんは語る。自分が見て感動したものを他の人と共有したい、という気持ちがそこにはあった。そのように伝わっていったもの、共有されていったものは、単なる情報ではなく、感情でありモチベーションであったのだと座間宮さんは言う。

今回の参院選中に、ネットワークコアとして動いた人々の中には、親子関係が復活したというようなケースもあったという。サッカーや野球の話をしても、何をしても駄目だった親子関係が、選挙をきっかけとして復活する。政治の話が極めて良い会話のトピックになったというケースもあったようだ。

選挙が終わった今、選挙中に構築され、山本さんや三宅さんをつくりあげたネットワークを今後に生かす為に、座間宮さんは新たに、「3年後政治状況をひっくり返すための100万人無料メルマガプロジェクト」を始動。まだ100万人には遠いが、メルマガ登録者は3日で1000人に達した。7日現在の登録者数は1710人。メルマガは、書かれた記事が登録者に直接メールで送られる、つまり登録者がわざわざサイトを見にいかなくても届くので、デジタル媒体の中でも、とても直接的な媒体だと座間宮さんは述べた。

【三宅洋平:ミュージシャン】

日本アーティスト有意識者会議の発起人である三宅洋平さんは、今回の放送では主に自身がプロデュースする初のデモ、「大デモ」についての話をした。

「大デモ」の目的は、デモをカジュアルに楽しくすること。三宅さんのプロデュースする「大デモ」は、パリやベルリンでの多くの若者が参加する、楽しいデモをモデルとしている。大規模なデモがあると、10ヶ月後に出生率が上がるというデータもあるらしい。デモが男女の出会いの場にもなっているのだ。政治について語り合ったら惚れちゃったということも多い、子供もできてめでたいことばかりだ、と三宅さんは冗談混じりに、しかし楽しみそうに語った。

デモには社会的メッセージもあるが、デモを難しくしすぎてはいけないと三宅さんは言う。「群衆とは力である」ということを示すのがデモの本当の目的であるからだ。「名も無き何十万という群衆」という大きな存在としてのメタメッセージは、政治家達には大きなプレッシャーとなる。意識を持った「群衆」というものがこの国には存在しているということ自体が悪政を抑止する力となる。

原発事故後は、約40年間もの間大規模なデモが行われなかった日本でも、大規模なデモが数多く起きた。マスコミはそれらをほとんど報じなかったが、それは報じたくないくらい「やばい」ということなのだ、と三宅さんは言う。政権は群衆を気にしているからこそデモを報じないのだ。マスコミが報じないからデモをやっても意味がないのではない。デモは、「僕ら」という存在はこれだけいるのだということを示す、今は黙っているけれど、「僕ら」はきちんと政府の動向を見つめているし、いざとなったら行動にも出る、あまり調子に乗るなよ、というメッセージを送るものだ。「大デモ」は現在参加団体を募集中。勝手連など、自分の自己表現をデモの中に叩き付けて欲しい、と三宅さんは締めくくった。12月7日「大デモ」の出発点は代々木公園。

ようやく目覚め始めた日本、吉原さん、座間宮さん、三宅さんのような人々、そして無数の有意識者達が勇気や愛や決意を持って先陣を切って旗を立てている。皆が見えるように理想を空に打ち上げている。そして今は空にあるその理想を土に降ろし、しっかりと根を張らせるのは、「名も無き何十万という群衆」の役目である。

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毎回違ったゲストを迎えて行われる、NAU生中継は月に一度。一般の方が生中継を会場で閲覧することもでき、定員は30名限定。

次回は11月21日。

第10回 日本アーティスト有意識者会議 NAU
日時:11月21日(木) 20:00~
配信:http://ustre.am/KiNq
出演: 三宅 洋平 / 菊地崇(LJ編集長)
ゲスト:山本太郎(参議院議員)
沖野修也(DJ/クリエイティヴ・ディレクター)

October 22, 2013

『みんなでつくる民主主義』ワークショップ:草の根から「合意形成型」の民主主義とコミュニケーションスキルを育む

2013/10/22

「参加型民主主義」という言葉が多く使われるようになりました。民意を国政に反映させるのが民主主義なので、もちろん始まった当初から民主主義は参加型なのですが、民主主義の形骸化が深刻になり、「参加型」という言葉が新鮮に響くまでになりました。

民主主義が「参加型」であるということの他にもう1つ着目するべきことは、民主主義で大切なのは、多数派の意見をどんどん通してゆくことではないということです。民主主義は多数決で決まったことをただやればいいというほど単純なものではありません。参議院と衆議院で過半数が取れたからといって、何をしてもいいわけではないのです。多数派だけではなく少数派の意見や立場や価値観も反映させながら、話し合いを通して共通のニーズをあぶり出し、「合意形成」をし、様々な人々が暮らしやすい社会をつくってゆくのがより優れた民主主義のあり方です。このような民主主義のあり方については、”ハト派”政治家、元自民党総裁の河野洋平さんもラジオフォーラム第40回放送で語っています。

それではこれだけ多様な立場や価値観やライフスタイルの混在する世の中で「合意形成」は一体どのようにしていったらいいのか?

この難題に答えてゆけるようになる為のワークショップ、『みんなでつくる民主主義』が、10月1日に冨田貴史さんと中園順子さんを講師に迎えて、世田谷区の南北居酒屋チャランケにて行われました。

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このワークショップは、政治に対して無関心な人に大切なことを伝えたり、対立意見を持つ人々と建設的な会話をしたり、人々を分断する多数決やディベートではなく、様々な意見、立場、見解を擦り合せて検討し、「合意形成」をして物事を前進させるスキルを磨く為のものです。「まわりの人にうまく伝えられない」という悩みを抱えた参加者がそれぞれの直面しているリアルな問題、現状をシェアし、ノウハウや実践例を交換し、コミュニケーションスキルを学び磨き、試行錯誤し、草の根からしっかりと民主主義を育んでゆくというのが、このワークショップの中心課題です。

ファシリテーターの冨田さんと中園さんの的確な進行や、洗練された言葉やトーンや前置きによる補助の元、参加者は話す、聞くという基本的なスキルを意識するとともに、実際的なマーケティングやブランディングに関するノウハウや、チャンクアップ/チャンクダウンのスキルなど、すぐに実践できる様々なことを学びました。

建設的な話し合いをする為のコミュニケーションの基本的な心得や、ポジティブ・ピースとネガティブ・ピースの違いなど、以下でワークショップから抜粋した内容をいくつか紹介します。

①聞き方

人の話をきちんと聞くということは、基本中の基本ですが、他の人が話している時も自分の主張のことを考えていたりと、意外にできていないことがあります。

相手の話をしっかりと聞くという姿勢は、建設的な話し合いをする上でとても重要です。自分の意見や立場が相手のそれよりも重要であり正しいという前提の元に話し合いに臨むよりも、オープンなスタンスで臨む方が冷静に建設的な話し合いができるからです。

相手が話している時は相手の話をきちんと聞くということを、基本に立ち返ってもう一度意識し、聞くときは自分のことを考えるのを一旦やめて、相手の話を聞くことだけに集中する癖をつけるといいでしょう。

これは特に対立意見を持った相手や、温度差のある相手と冷静な話し合いをするには重要です。気の知れた仲間と話すのが楽なのは、すでにお互いが類似した見解を持っているので、おかしなことは言わないという安心感もありますが、それに加えて「聞く」ことにかかるエネルギーが少ないからでもあります。

特に熱心に勉強をしている人にとっては、対立意見やリサーチ不足や考えの足りない人の話を黙って聞くのは時に簡単なことではありませんが、伝えることだけに必死になっても、コミュニケーションは成立しないことが多いのです。

政治家の演説も悪いコミュニケーションの一例となりうるでしょう。多くの政治家は、雄弁かもしれませんが、必ずしも国民側は彼らの言葉を熱心に聞くわけではありません。その要因の一つとして、国民側の心の中には、政治家は自分たちの声など聞いていない、どうせ政治家は民意を反映するつもりはない、と感じているということもあるでしょう。自分の話を聞いてくれない傲慢な相手の話は聞きたくないというのは普遍的な心理です。

議題に対して自分と違った見解を持っている相手と話すときは、相手の言ったことをリフレーズしたり、要約したりして「オウム返し」で相手に返し、相手にこちら側の理解が正しいか確認するのが有効です。そうすることによって自分が相手の立場や見解を理解、把握するだけでなく、こちらがきちんと話を聞いているということを示すことができるので、相手も安心し、より話しやすい空気をつくることができます。

②話し方

勝ち負けを決め、分断を深めやすい多数決型のディベートではなく、コンセンサスをつくりあげてゆく、合意形成型の話し合いをするには、相手を論破したり、意見の合わない部分を強調、ハイライトして既に存在している溝を更に深めるのではなく、二つの異なった意見の間に存在する共通したニーズを指摘し、合意できる部分をあぶり出すことを意識することが大切です。

言葉のチョイスとして「意見」よりも「立場」という言葉を使うとニュアンスや印象が柔らかくなったりもします。一つの伝え方に固執せず、メッセージを伝えるには、どのような言い方、伝え方、方法が有効なのか、クリエイティブに考えてみましょう。

明らかに対立した意見を持っている相手と話すときは、熱くなって喧嘩になってしまうようなことも充分ある得ることですが、そのような時は、戦っているのはあくまでも「主張」同士であって、その主張を持った本人同士ではないということを頭に入れておくといいでしょう。主張が違うからと言って、相手を憎んだり喧嘩をする必要はありません。

自分でリサーチをすることや、トピックについて事前に勉強してから話し合いに臨むという基本的なことももちろん大切です。

③建設的な話ができる「場」のつくり方

大人数で話すときも、一対一で話すときも、円滑で建設的なコミュニケーションの成立しやすい、「場」や「環境」や「ペース」や「空気」をつくることは非常に大事です。

このワークショップ自体も、意識的に創出された、民主主義について話す「場」であるわけです。そして冨田さんと中園さん、そして参加者によって話しやすい「空気」や、皆が参加できる「ペース」や、建設的な話し合いのできる「環境」がつくられました。

ワークショップはまず、参加者全員がお互いの話を聞き、話し、お互いについての情報を共有することから始まりました。自己紹介、ワークショップに来た理由、ワークショップに何を期待しているのか、コミュニケーションのどのようなところに苦手意識を持っているのかなど、参加者全員がそれぞれ話し、それぞれの立場や直面している問題や苦手意識をまず共有しました。

必要な情報や苦手意識や抱えている問題やそれぞれの立場を共有しておくことで、白紙の状態で急に話を始めるよりも話合いをスムーズにすることができます。

緊張せずに話せるようにリラックスした空気をつくったり、とりとめなくだらだらと話すのではなく、何の為に話し合っているのか目的を時々確認しながら話したり、どちらかが一方的に話し、どちらかが一方的に聞くということになってしまわないように、バランスに気を配ることも大事です。

④ポジティブ・ピース vsネガティブ・ピース

ピース(平和)には2種類あります。

ポジティブ・ピースは、話し合いのなどの成果により、みんなが納得した状態がつくられ、誰かを犠牲とすることなく成立している平和な状態。

ネガティブピースは、誰かが犠牲になったり我慢したり、時には財産や健康や人権や命を失うことによって成り立っている平和のこと。

現在の日本の「平和」はどちらでしょうか?現在日本は戦争をしない平和な国と一般的には認識されていますが、果たして日本は本当の意味で平和なのでしょうか?日本の風土は年間3万人を自殺に追い込む風土です。日本には昔から労働問題や沖縄の基地問題があり、2011年には深刻な原発事故を経験しましたが、現政権はその深刻さを真っ向から否定しています。大企業優先の経済がアグレッシブにつくられ、自然や古いものや商店街やコミュニティーに基づいた地域経済や、人間一人一人の主体性は無視される傾向にあります。

これはポジティブ・ピースでしょうか。それとも多くの人々が我慢し犠牲になることによって成り立っているネガティブ・ピースでしょうか。

ポジティブ・ピースをつくってゆくには、もちろんコミュニケーションが必須となります。しっかりと相手の話を聞き、伝えるべきことは伝わる方法で伝える努力をし、共通のニーズをあぶり出し、合意形成することで辿り着けるのがポジティブ・ピースです。

この合意形成の為の話し合いは、「和」を重んじる国民性を持つ日本人が、本当の意味での「和」、ポジティブな「和」をつくるためにまさに必要な技術なのではないでしょうか。

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*   今後の『みんなでつくる民主主義』ワークショップ開催予定

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2013/11/14 (木) 『みんなでつくる民主主義』ワークショップ VOL.3

場所:カフェ・オハナ
・午後の部=14:30~17:30
・夜の部 =19:00~22:00
ファシリテーター:冨田貴史&中園順子(まるじゅん)
参加費:2000円

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2014/2/10 (月)     『みんなでつくる民主主義』

場所:南北居酒屋チャランケ

ファシリテーター:冨田貴史&中園順子(まるじゅん)

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*ファシリテータープロフィール

・冨田貴史
京都在住。全国各地で年間300本以上のイベント・ワークショップを続けている。ワークショップのテーマは暦、エネルギー、手仕事(茜染め、麻褌、鉄火味 噌など)、自家発電など。『母笑み疎開保養大作戦~海旅Camp』共同代表。2013年春、大阪中津にて養生のための衣食を自給する冨貴工房オープン。宮 崎県串間にて福島の子どもたちのための保養施設作り準備中。著書「わたしにつながるいのちのために」、「今、わたしにできること~目に見えないものをみつ めて生きていく~」ほか
http://takafumitomita1320.cocolog-nifty.com/blog/

・中園順子(まるじゅん)
大量生産・大量消費の世界に疑問を感じ電通を15年で退社。コピーライターの経験を生かし、個人も地球も持続可能な幸せを実現するための情報発信中。トラ ンジションタウン(TT)やエコビレッジに関するイベント/ワークショップ開催なども。NPO法人トランジションジャパン副代表理事、パーマカルチャーデ ザイナー、ヨガインストラクター。現在日本最南端のTT、オーガニックいとまんchuで活動中。
http://organicitoman.ti-da.net/
http://marujun.ti-da.net/

October 10, 2013

【東北ライブハウス大作戦】人と地域と世代を繋ぐ、被災地の3つのライブハウス “Tohoku Live House Daisakusen” 3 Music Venues Built In The Tsunami-Stricken Areas To Connect People, Communities and Generations

2013/10/10

音楽やアートや文学の役割は簡単に定義できるものではないが、311の震災、津波、原発事故後に、日本では多くのアーティストやミュージシャンが「これからアーティスト、表現者として、傷ついた日本や人々の為に何ができるか」と同時多発的に考え行動し、1つの大きな動きとなっているというのは、周りを見渡し耳を澄ませばわかるだろう。東北ライブハウス大作戦は、3.11に反応したアーティスト達により立ち上げられた多くのプロジェクトのうちの1つだ。

Even though the role of music, art and literature isn’t easy to define, if you look around and listen carefully in Japan, it is obvious that there are countless artists simultaneously thinking and acting as a reaction to 3.11 earthquake, tsunami and the nuclear disaster, and creating a single wave as a result. Tohoku Live House Daisakusen (Operation Tohoku Live House) is one of the projects started by a group of artists who reacted to 3.11.

東北ライブハウス大作戦は、西片明人さんが代表を務めるSPC Peak Performanceというサウンドエンジニアチームが立ち上げたプロジェクト。彼らは津波被害を受けた東北三陸沖沿岸地域にある3つの街、岩手県宮古市に「KLUB COUNTER ACTION MIYAKO」、大船渡市に「LIVEHOUSE FREAKS」、宮城県石巻市に「BLUE RESISTANCE」を建設。震災後のわずか1年余りの短い期間で、2012年8月に宮古と大船渡、10月に石巻のライブハウスがオープン。目的は、人と地域と世代を繋ぐため。そしてその基盤となる「場」をつくるため。

SPC Peak Performance, a team of sound engineers represented by Akihito Nishikata, started out Tohoku Live House Daisakusen. They decided to build 3 music venues in Tohoku Sanriku area that were heavily damaged by the tsunami. “Klub Counter Action Miyako” in Miyako, Iwate prefecture, “Livehouse Freaks” in Ohfunato and “Blue Resistance” in Ishimaki, Miyagi prefecture were built in 2012, about a year and the half after the tsunami. The purpose is to create “places” to connect people, communities and generations.

ライブハウス建設の費用捻出は、募金やGOODS販売、さまざまなイベントの収益、チャリティーCD、木札作戦など、全国の賛同者・仲間達の協力で可能となる。

This project was made possible by the donations, the sales of the charity goods, profits from various events, Kifuda Sakusen (operation) ,and thanks to advocates and friends from all over Japan.

筆者は先月9月14、15日に、群馬県の水上高原リゾート200で行われた野外音楽フェス、New Acoustic Campにて、東北ライブハウス大作戦のブースを訪問し、関係者の方にインタビューを行った。

I visited Tohoku Live House Daisakusen’s booth at a music festival called New Acoustic Camp held in Gunma prefecture on Spetember 14-15 and interviewed one of the staffs of the Daisakusen.

東北ライブハウス大作戦のブースでは、プロジェクトに賛同しているアーティストのメッセージ付きの写真がずらりと掲載され、大作戦のイベントのフライヤーが並び、ライブハウスの運営などをはじめとする活動の為の資金源となるTシャツなどのチャリティーグッズの販売が行われた。

At the booth of Tohoku Live House Daisakusen, there were the photos of the supporting artists with their messages all over the tent, many flyers of their events, and the charity goods such as T-shirts to raise money for their music venues.

東北ライブハウス大作戦のブースの隣には幡ヶ谷再生大学のブースがあり、震災後に何トンもの米や食料を被災地に届けたり、被災地で子供達が遊べる公園を作る作業などを記録した多くの印象深い写真が展示されていた。

Right next to Tohoku Live House Daisakusen was Hatagaya Saisei Daigaku (Hatagaya Re-birth University) ‘s booth, and the photos displayed there told the stories of people who delivered tons of rice and food to the disaster-stricken areas in Tohoku and worked on the rebirth of the communities after the disaster.

インタビューに答えてくれた、大作戦のUstream班で活躍している高橋さんは、大船渡のライブハウスを拠点に育った若いバンドが、例えばツアーで東京でライブをやって、「大船渡出身のバンドです」と言える日が来るのを楽しみにしていると語った。大作戦で活動をしていると、東北と東北の外との繋がりが確実に生まれてきているのを感じると彼は言う。

The interviewee Mr. Takahashi said that he is looking forward to seeing the days when musicians who grew up based around these venues go on tour and say that “we are from Ohfunato,” in other parts of Japan. Mr. Takahashi, who is witnessing this project growing, says that the connection between Tohoku and the other parts of Japan is already starting to build.

人々が集まり出会い、表現を磨き、コミュニティーをつくることが可能なライブハウスという場所を被災地につくることで、地元でバンドや文化や繋がりが育つ。そしてゆくゆくはこれらのライブハウスを拠点にして育ったミュージシャン達が音楽を通じて更に広い繋がりをつくってゆく。そのような未来へ繋がってゆくビジョンを東北ライブハウス大作戦は持っているようだ。

By building music venues in the disaster-stricken areas, they are providing the place where people can gather and meet, polish their expression, and create communities. And eventually the musicians based in the area will make even larger connection through music. Tohoku Live House Daisakusen’s vision is very much focused on the future.

有志で集まったミュージックビデオ関係者が製作した、東北ライブハウス大作戦のドキュメンタリー映画の公開も始まっている。ドキュメンタリーは2012年の9月12日から16日まで行われた「AIR JAM東北ライブハウス大作戦TOUR」を中心に撮影され、大作戦に関わる人々や繋がりを追った映画。TOSHI-LOWさん(BRAHMAN)、クハラカズユキさん(The Birthday)、りょーめーさん(爆弾ジョニー)がナレーションを担当している。

Their documentary movie created by a team of volunteers from the music video industry is now playing as well. The documentary, narrated by TOSHI-LOW (BRAHMAN), Kuraha Kazuyuki (The Birthday) and Ryomei (Bakudan Jhonny), focuses on one of their projects “AIR JAM Tohoku Live House Daisakusen Tour.”

今週末の10月12日に、大阪市のNOON+CAFEで上映会が行われる。1ドリンク制で、鑑賞料は投げ銭。現在全国でライブハウス、映画館、カフェなどの上映場所を募集している。鑑賞料は投げ銭制で、収益は今後の大作戦の活動資金となる。

The movie will play at NOON+CAFE in Osaka on October 12. They are looking for more places such as music venues, movie theaters and cafes to show the film all over Japan. The tickets fees are suggested donation, and the sales of the movie will be the fund for the venues.

忘れられ、孤立してしまっていると言われがちな被災地だが、このように強い意志を持って繋がりをつくり出そうとしている人々がいる。彼らの間には、世間一般に充満しているような諦めや無関心や悲壮感は無い。代わりに彼らにはクリエイティビティーやビジョンや行動力や生命力がある。

Generally speaking, the disaster-stricken areas are rather forgotten and isolated from the rest of Japan. However there are people with strong will working on making the connection. Among them, there are no feelings of pessimism, apathy and give up, which seems to be a pervasive mood among the general population. Instead, they have creativity, vision, action and spirit.

被災地に建設された3つのライブハウス。震災後の瓦礫の中に建てられたライブハウスの景観は、東北の人々や、訪れた人々や、それらを実際に建ちあげる為に力を尽くした人々の目にどのように映り、これからどのような繋がりや文化がそこから生まれるのだろうか。

3 music venues standing in the devastated areas. What would they look like to the eyes of the people in Tohoku, the visitors and the people who worked hard to actually build them. What kind of connections and culture will they generate from there?

苦難の時にこそ、物質的、金銭的なサポートだけではなく、人々が実際に集まり、話し、繋がり、音楽を奏で、踊ることは必要だ。街を壊滅させ、人々の心の中にテクスチャーを残した震災、その苦難や非日常的な経験の中からどのような新しい表現、音楽が生まれてくるのか、瓦礫の中からどのような芽が出て育ってゆくのか、そしてこれから彼らの表現を目撃した人々がどのように感じるのか、これからも注目していきたい。

Hard times require not only financial and material supports but also people gathering, talking, connecting, playing music and dancing together. 3.11 disaster devastated Tohoku area and left a texture in people’s hearts. It is worth paying attention to the new expression, music and culture coming out from the people who experienced this out-of-ordinary disaster, and how their expressions make the audience feel.

September 19, 2013

【チダイ&座間宮ガレイ】オフラインでも動くパワーブロガー達の秋の企画、「タブー解禁!秋の原発文化祭」

2013/9/20

大手メディアがスポンサー関係の事情や保守的な体質の為に、牙を抜かれ骨抜き状態になり、本来権力の暴走を監視する役割を担っているジャーナリズム機関でさえもが権力サイドに寄り添うように報道をしている日本のメディアの窮状は、原発事故後におそらくかなりはっきりと認識されるようになっただろう。

そんな腐敗したメディア環境の中で最も生き生きと、それぞれのクリエイティブな方法で自発的に信念を持って現実と向き合い、起きた出来事に対して反応し、情報発信者として、独自のレイヤーでマスメディアが本来果たすべき役割をマスメディアに代わって果たしているのはブロガー達かもしれない。そしてブロガー達の中でも鋭い感性や洞察力や一貫性をもって質の高い情報を発信し、オフラインでも活動し、その結果として情報受信者に影響を与えている「パワーブロガー」達がいる。

原発関連の情報発信に特化しているブロガーでは、日本が脱原発できない大きな要因の1つである日米原子力協定に着目した第一人者である座間宮ガレイさんと、チダイズム〜毎日セシウムを検査するブログ〜を書いている、食べる?の出版が間近のちだいさん、この2人の発想力、持久力、行動力には目覚ましいものがある。この2人は、原発問題に真剣に切り込み、前回の参院選でストレートな態度で脱原発を掲げ続け、無所属で当選した山本太郎さんの選挙戦にもブレーンとして精力的に関わり、山本さんの周りで選挙戦を盛り上げ、オンライン、オフラインの両側で士気を高めていた。

座間宮さんは、山本太郎さんと協力体制で選挙キャンペーンを行ったミュージシャンの三宅洋平さん企画の「選挙フェス」のステージにも実際に登壇して日米原子力協定についての演説を行った経験もある。

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7/20に渋谷で行われた選挙フェスで演説をする座間宮さん

この2人が共同で9月21日(土)にパワーブロガーちだい&座間宮ガレイの【タブー解禁!秋の原発文化祭】と称したイベントを13時から新宿のロフトプラスワンで行う。

企画内容は、ちだい企画「セシウムお化け屋敷!」、座間宮ガレイ企画「日米原子力協定お化け屋敷!」、ゆるゆる飲みイベント「原発フィーリングカップル(仮)」などで、料金は2000円。

原発事故や放射能汚染の捉え方や付き合い方は人それぞれ。しかし政治家がいくら嘘をつこうと、大手メディアが軽視しようと、原子力ムラが揉み消そうとしようと、放射能汚染が現在進行形で起こっているということは明らかなことであり、自国で原発事故を経験した日本人だけでなく、世界が放射能汚染と向き合わなければいけない時代。そういった意味では、ちだいさんや座間宮ガレイさんのような人達は、原発事故を節目に私たちが突入した新しい世界に敏感に反応し、迅速にやるべきことを考え、見つけ出し、行動し、最先端を突っ走っている存在と言っても過言ではないかもしれない。これから嫌でも付き合い続けなければいけない原発問題、この2人の筋の通った、知的、科学的、論理的、そして倫理的な原発事故や放射能汚染との向き合い方や、情報を受信するだけではなく、自分にできることを考え、自ら独立したメディアとなり情報を発信するという姿勢や考え方は、様々な情報発信や相互コミュニケーションのツールがある現在、多くの人が参考にできるものではないだろうか。

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渋谷の選挙フェスで演説をする座間宮ガレイさん

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(左)チダイさん(右)三宅洋平さん

柏の選挙フェスで登壇したチダイさん

柏の選挙フェスで登壇したチダイさん