Archive for March, 2014

March 18, 2014

山本太郎「新党ひとりひとり」:脱原発勢力を国政レベルへ、鹿児島2区補欠選挙で候補者擁立 Taro Yamamoto’s “Hitori Hitori (Each of Us) Party”: Lifting Political Power of No Nukes Movement To A National Level, Fielding A Candidate in 2nd Ward of Kagoshima for By-Election”

2014/3/18

国政の場で脱原発勢力の結束強化を図るために「新党ひとりひとり」を結党した山本太郎参議院議員(39)が衆議院議員鹿児島2区補欠選挙(4月15日告示)で候補者を擁立するにあたって18日午後5時30分から記者会見を行った。鹿児島で逆境に挫けない精神力の強い候補者を募り、山本氏が面接して良い候補者がいれば擁立する方針。山本氏は候補者を擁立した場合、自分が候補者になったつもりで候補者と共に戦い、選挙資金が不足した場合は自らが借金を背負う、と強い覚悟を見せる。募集の締め切りは今月28日で、4月1日に再び鹿児島で記者会見を行う予定。鹿児島2区の隣の選挙区には、原子力規制委員会が優先審査をし、再稼働第一号となる可能性の大きい川内原発がある。

Taro Yamamoto (39) formed a new Party “Hitori Hitori (Each One of Us) Party” for No Nukes forces in Japan to gain a national scale influence. At 5:30 p.m., Mr. Yamamoto held a press conference in Kagoshima to announce his plan to field a candidate in the 2nd Ward Kagoshima for coming up by-election as a first move of his new party. He looks for a candidate who’s mentally tough. If he finds a good candidate through interviews, he is going to field a candidate. He is determined and prepared to commit himself into the campaign with the candidate and even be in a debt to fight this election. The deadline for the recruit is Mar 28th, and he will have another press conference in Kagoshima to announce the candidate. 2nd Ward Kagoshima is nearby Sendai nuclear power plants which are likely to be the first ones to get reopened this summer at the earliest.

原発や被曝問題について、芸能界にいた頃、市民運動や2012年の衆院選の頃から発言を続けてきた山本氏は、自らの国会での状況を「政界のサンドバッグ」と表現し、722名いる国会議員の間でどれほど未だに原発や被曝問題に真剣に取り組む議員が少数派であるかを表現した。今回の選挙でも争点をぼかさせずに脱原発を叫び続けることはもちろん、原発が無いと経済や生活が成り立たないという思い込みを解いてゆくことが大切だと山本氏は言う。

Mr. Yamamoto described himself as a “punching bag” in Japanese political world to describe how speaking out about the issue of nuclear power, radiation, health risks caused by the exposure to radiation is still dangerous in Japanese society. Among 722 members of the Diet, the numbers who make remarks about the nuclear crisis are still very small. Mr. Yamamoto says it is important to make the real crisis into a point of the controversy of the election and spread the awareness that the Japan’s economy will be OK without nuclear power.

「ネット選挙」つまりインターネットの力で選挙を勝ったと短絡的に言われがちな山本氏だが、ネットの力には限界があると山本氏は言う。ネットは意識のある人達が情報を得たりネットワークを構築するのに使われるが、参院選では、ネット上ではなく選挙戦の現場で真剣に市民選挙を戦ってくれた熱意のある1000人以上のボランティアの方々の献身と、世の中の理不尽に対して不満を持つ約67万人の人々の投票行動のおかげで自分は1議席獲得することができたのだと山本氏は記者団に語った。

The media quickly jumped to a conclusion that Mr. Yamamoto won the last Upper House election because of lifting the ban of the “internet election”, which allowed candidates and anyone to campaign on the internet. People used internet to gain the information, network and connect with each other, however the internet had its limit, he says. Over 1000 enthusiastic volunteers who worked hard on the field during the campaign and about 670,000 voters who recognize the injustice of the society were the real power that won him a seat, he said to the reporters at the press conference.

会見後「東京でやったような燃え上がるような選挙を鹿児島でもできるのか?」という質問に対して山本氏は、現在閉塞感の中で人々は生活している、国による理不尽を知ることも大事だし、政治を通してしかできないことがあるので、参院選の時のように全国からボランティアが駆けつけてくれるだろう、と鹿児島で「新党ひとりひとり」最初の市民選挙を戦う意気込みを語った。

“Do you think you can have a passionate election like you did in Tokyo here in Kagoshima?” a reporter asked. Mr. Yamamoto responded that people live under the injustice and the pressure from the current regime, People need to know that, and there are things we can do politically. Volunteers would assemble again from all over the Japan to support the election campaign in Kagoshima. He showed an enthusiasm to run the first election campaign after he formed his new party “Hitori Hitori (Each of Us) Party.

「新党ひとりひとり」という名前には、「人間、一人ひとり考え方は違う。でも何かあった時には、1つになる意味合いです」と山本氏は東スポのインタビューに応えている。「ひとりひとり」と個人を強調する名前は、安倍政権の国家主義、全体主義を批判しているようでもある。

“The name of the new party means that each of us has a different view, but we can be the one in the time of crisis,” he said to a reporter of Tokyo Sports. The name emphasizes individuals seems to criticize the nationalistic and totalitarian tendency of the current regime.

taroyamamotokagoshima

Mr. Yamamoto at a anti-nuke protest in Kagoshima on 3/16/2014

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March 13, 2014

【映画と社会】『怒れ!憤れ!—ステファン・エセルの遺言—』:トニー・ガトリフ監督の大衆と鼓動を共にする映画芸術

2014/3/13

『怒れ!憤れ!—ステファン・エセルの遺言—』はカンヌ国際映画祭監督賞などに輝いた名匠トニー・ガトリフ監督が、実際にヨーロッパ各国で起きたデモの現場 で主演女優に演技をさせ撮影した異色の作品。社会派ドキュメンタリーと1人のアフリカからヨーロッパに仕事を求めて移住したが社会のシステムの中で翻弄される少女の物語が混ざり合い、強烈な印象を伴う芸術的な演出にも溢れている。この作品には社会に蔓延る貧困や不平等や理不尽の姿、不正義に屈すること無く声を上げる人々の鼓動や生命力に溢れた眼差し、怒りや絶望の最中に沸き上がる激しい歓喜、自由や正義を強く求める大衆の意志が丁寧に収められている。近年世界中で起こった大衆運動に参加してきたたくさんの人々の心にピッタリと寄り添い、立ち上がった大衆と鼓動を共にすることに成功した作品。

映画の試写会の後に、政治学・国際関係論研究者の五野井郁夫さんはインタビューで、本気で世の中を変えたいならば自らが直接権力の中枢に入っていく動きも必要だと述べた。権力の中というのは以外に脆いと。それはまさに原発事故を経験した日本で起き始めている動きで、国政でも地方政治でも、自分たちの声を代弁してくれる政治家を外に求めて待つのではなく、自分が直接声を上げ権力を得て、世の中により直接的に関わってゆくという考えや動きが日本の若者の間でも広がっている。

学術、芸術や表現の世界のように政界や財界は正義を語れないのか?という問いに対して五野井さんは、政界や財界ではいかにキレイゴトを表に掲げながら自分の利益を実現してゆくのかが重要な世界なので、基本的にキレイゴトしか彼らは言わないというのを前提として知っておかなければいけないと釘を刺した。学術的な世界に属する教授や知識人が世の中を変えるためにできることももちろんあるが、昔ほど本も売れないし、知識や学術に対するありがたみというもの自体が薄れている世の中なので、知識人も伝える為に変わらなければいけない、と五野井さんは語った。

日本の脱原発や特定秘密保護法案反対デモなどにおいて若者の参加が少ないのは、若者達はデモに参加することで自分たちが社会的に不利な立場に置かれてしまうことを恐れているのかもしれないとも五野井さんは分析した。

世界中で若者が社会正義を求めてデモに参加しているが、歴史的な危機の渦中にある現在の日本の若者達は自分たちの社会や未来に対して何を感じているのだろうか。彼らもまたステファン・エセルの言う「怒り」をどこかで感じているのだろうか。もしそうならば、彼らは社会を変える為には人々は団結しなければいけないということを知るべきかもしれない。「繋いだ手が私たちの武器」映画に映ったプラカードにはそう書いてあった。

映画の中で、若い女の子がインターネットを通じてデモが起きているのを目撃して歓喜するシーンがあった。そのシーンで表現されていた体の底からこみ上げてくるような歓喜と興奮を、私はそっくりそのままアメリカでオキュパイ運動に参加した時に経験したことがあるように感じた。常日頃社会のあり方に対して感じていた疑問を、同じ社会に住んでいるあまりにも多くの人々が共通認識として持っていたことに対する驚きや喜びや希望、そして彼らが街へ出て声を上げている姿に対する感動、仲間がいるという勇気、時代の声の渦の中に身を置いている興奮。

私は2011年の10月にニューヨークにいた。この記事のビデオはその時に撮影したものです。恒久的に負の連鎖を生み続ける資本主義の非人間的なシステムや、あまりにも破壊的なグローバル企業の世界戦略と政治への介入や、金融業界、銀行家達の腐敗に対しての反発運動であるOccupy Wall Street (ウォールストリート街を占拠せよ)運動が始まっていて、私はズィコッティパークに足を運んだ。人々は団結し、声を上げ、囁き合い、メッセージを書いたプラカードを掲げ、デモ行進をし、自分たちがメディアとなり発信していた。老若男女、様々な人種や立場の人々がニューヨークの街に犇めき声を上げた。

全米やアメリカ国外にも広がったオキュパイ運動は私が参加した初めてのデモだった。私はデモに行って声を上げると決めた人々と共にストリートに出たい、とにかく行かなければいけない、ついに本当に自分が行くべき場所ができたと感じて何度もデモや占拠の現場に出かけた。デモに参加することでどんな結果があるのかというのはわからなくても、それは私個人にとっては極めて大きな意味を持った。その頃にアメリカのニューヨークやカリフォルニアで私が1人の人間として参加し、目撃した大衆の集合的な声や、人々の間にあった社会正義を求める熱や友人達と交わした会話は、私の生きている時代の1つのリアルな感触として強い光のようにはっきりと私の中に残っている。

私たちの住む複雑な世界は常に完璧でありながら、常に改善の余地がある、現在進行形のアートプロジェクトです。人々の尊厳や自由を踏みにじる社会の中の不正義に対して声を上げ、社会をつくることに参加しようとすることで私たちは心を教育することができる。デモはその時代特有の苦しみの中から人々が勇気を振り絞りつくりだす、生きたアートだと私は思っている。

『怒れ!憤れ!—ステファン・エセルの遺言−』は新宿のK’s cinema にて3月28日まで公開予定。上映後にはイルコモンズさん、松沢呉一さん、鈴木邦男さん、園良太さん、ピーター•バラカンさん、松本哉さん、大熊ワタルさんなど、多彩なゲストのトークイベントも開催されています。

詳細(www.facebook.com/dofuneiga