市民が建設的にムーブメントを成功させてゆく為に

2013/8/7

近年、世界の様々な場所で民主主義や社会正義や平和や地球環境保護を求めるムーブメントが起きています。日本でも、先月の三宅洋平さんの参院選での立候補は、従来の選挙キャンペーンの枠組みを大きく飛び越えて(彼本人は「ムーブメント」ではなく「時代」だと言っていますが)ムーブメントの始まりとなりました。では、社会正義や平和を求める市民側は、どのように建設的に社会をシフトさせていけばいいのでしょうか。

社会にはざっくりと分けると2つのサイドがあります。「権力側」と「市民側」です。この構図をごく単純に、一般的に解釈すると、権力側が市民側を統治しているということになります。しかし、権力は常に統治される側、民衆側の手中にあるというのが実際の状態です。民衆の力が権力にとって大きな脅威であるからこそ、権力側は市民側を押さえつける為に、様々な手法を用い、膨大な金と労力を費やします。民衆の意見や態度の統制が、社会そのものとなるからです。

もしも本当に権力が民衆側にあるのだとしたら、なぜ戦争、貧困、奴隷制、核開発、遺伝子組み換え食品の開発、地球環境の破壊など、様々な人類の未来の為に望ましくない状況が世界の至る所に蔓延しているのでしょうか。その理由の1つは、市民側を押さえつける為の権力側のプロパガンダが非常に良く民衆に浸透し、それがそのまま社会風土となってしまっているからです。

例えば、日本では政治に対する「無関心」ということが長年問題とされてきました。日本人は実際のところ自然な流れとして必然的に「無関心」になってしまったのでしょうか?この「無関心」という状態は「無力感」や「諦め」とは判別されなければいけません。多くの人が「無関心」である理由として、「どうせ政治や社会は変わらないと思うから」と述べます。それは「無力感」や「諦め」の感情で、必ずしも「無関心」ではありません。つまり、現状に満足しているわけではないけれど、自分たちにはそれを変える力が無いと思い込んでいるのです。そして「無力感」や「諦め」は、自然に人間が持つ感情ではなく、報道やプロパガンダや社会風土によって外部から人々の心の中に植え付けられる感情です。つまり、変えることができるものです。

実際、現状を変える為に一般の市民ができることは数多くあります。しかしそれが行われない、起こらないのは、どうせ自分達が何をしたところで苦しい現実は変えることができない、自分たちは耐え忍ぶしか無い、と権力側が民衆に思い込ませることに成功しているというのも1つの理由です。

市民側の力を押さえつける為に、権力側はもちろん直接的な弾圧や、構造的な暴力をふるうこともあります。貧困を作り出したり、人々を分断し憎悪を煽るようなプロパガンダキャンペーンをしたり、地域コミュニティーを破壊すような社会構造を確信犯的に推進するのも1つの権力による暴力の形です。

それに加えて、現在は長い年月をかけて権力や大企業、(権力と大企業は同義語といっても差し支えないでしょう)が多大な労力を費やして推進してきた、資本主義や新自由主義、物質主義や消費至上主義のイデオロギーが世界規模で蔓延し、常識化し、人々の感性として内面化すらしています。

他人や社会のことは考えずに自分の富を増やせ、人権や社会正義や地球環境よりも経済を優先せよといったようなイデオロギーや、労働者や地球環境を搾取し破壊すればするほど成長する資本主義、消費経済のシステムがこの先も一般的に良きもの、もしくは受け入れざるを得ないものとして認識され続けるなら、未来は明るくありません。

それでは権力や大企業に対抗する為に、市民側は何ができるのでしょうか?

まずは、市民側が自分達に社会を立て直し、舵を取り、自由に生きる力があると認識し、目覚め、行動する為の意識改革が必要となります。意識改革をもたらすものは様々で、多くの場合リーダーがいますが、オキュパイ運動のように、1人の特定のリーダーを持たないムーブメントもあります。

それから自由へと向かう複合的な統一体の形成。その形成には、市民側の組織化や、地域ごとの自発的に機能するコミュニティーの創出が必要となります。これらのことが必要な理由は、細分化され、人と人がばらばらになったコミュニティーには力が無いからです。個人が孤立してしまう細分化された社会というのは、権力側にとって最も統治しやすい社会でもあります。団結を強め、自分たちのコミュニティーに必要とされることをコミュニティーの人間で実践し、可視化し、政府や企業への依存を減らしてゆくことで自信が生まれ、不安が払拭されていきます。地域に良い影響を与えられれば、仮にムーブメントにネガティブなイメージがあったとしても払拭することができます。

ムーブメントがすぐに結果を出すことができないとしても、根気よく語り、伝え、組織化を進め、外部の人々にも働きかけ続ければ影響を序所に広めることができます。

この世界に住む大多数の人々はおそらく社会正義や平和を望んでいるでしょう。その圧倒的な民意を少しずつ実現していく為に、市民側も組織化を図り、団結を強め、建設的に、戦略的に取り組んでゆく必要があります。なぜなら権力側や大企業は、既に巨大なネットワークを築き、長年に渡って意識的に、戦略的に彼らの目的を達成してきたからです。

参考文書

アメリカを占拠せよ! ノーム・チョムスキー

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